リスティング広告とは、GoogleやYahoo!などの検索エンジンにおいて検索結果画面に表示されるテキスト形式の広告のことで、「検索連動型広告」とも呼ばれます。ユーザーが情報を得るために能動的に検索したキーワードと連動して広告表示されるため、確度の高い顕在層へリーチでき、コンバージョンにつながりやすい点が魅力です。また、リスティング広告はクリックされて初めて費用が発生するクリック課金方式であり、費用対効果が高いのが特徴です。他の広告に比べ予算を抑えながら成果を出せるため運用を始めやすいことや、Google関連のツールと連動しデータ解析ができることから、様々な企業で導入されているWEB広告の一つです。
リスティング広告は、検索結果画面の上部1~4枠に掲載され、キーワードによっては下部1~3枠にも掲載されます。フォーマットも様々な形式がありますが、基本的に「リンク先のURL」「広告見出し(タイトル)」「説明文」の3つで構成されています。
リスティング広告は、広告がクリックされて初めて費用が発生するクリック課金方式です。そのため、広告が表示されただけでは課金されず、興味を持ったユーザーからのクリックにより課金されるため、高い費用対効果が期待できます。
また、クリック単価はオークション方式で決まります。リスティング広告を配信する際、広告主は広告がクリックされたときに支払う金額(入札単価)を設定しますが、そこで同様に入札した競合とオークションにかけられ、その結果で掲載順位とクリック単価が決定します。検索ボリュームが大きいキーワードは競合も多くなり、その中でより多くの金額が入札された広告から上位に掲載されるため、クリック単価が高くなる傾向にあります。
さらに、リスティング広告の掲載順位はクリック単価だけでなく広告の品質にも左右されます。いくらクリック単価が高くても、中身が薄かったり、知りたい情報とズレていてはユーザーにとって有益であるとは言えません。そのため、上位掲載されるためにはクリック単価だけを意識するのではなく、ユーザーにとって価値のある、ニーズを満たせる広告に改善していく必要があります。
リスティング広告は検索エンジンに掲載され、主な掲載先は「Google」と「Yahoo!」の2種類です。検索エンジンのシェア率はGoogleが圧倒的に高く、次いでYahoo!となっており、リスティング広告の掲載先は基本的にこの2つのどちらかを選択することが多いです。
母数が大きく、どの年代のシェア率も高いですが、特に20代~30代のユーザーの利用率が高いです。ショッピングやWebサイトの閲覧など、スマホを活用してインターネットサービスを利用するユーザーほどGoogle検索エンジンの利用率が高い傾向にあります。また、Googleではアナリティクスやサーチコンソールなどの様々な分析ツールがあり連動できるものがほとんどのため、データ分析が行いやすい点も魅力の一つです。これからリスティング広告を始めてみたいという方は、網羅性の観点からGoogleリスティング広告から利用することをおすすめします。
Yahoo!の検索エンジンは40代~60代の高年齢層からの支持率が高いという特徴があります。比較的PCユーザーが多く、Yahoo!天気やYahoo!ニュースなどのYahoo!サービスを好んで利用するユーザーほど利用率が高い傾向にあります。広告で宣伝したい商品やサービスが高年齢層向けであったり、PCユーザー向けのものである場合はYahoo!リスティング広告も検討することをおすすめします。
WEB広告とは、WEB上のメディアに掲載される広告全般のことを指します。リスティング広告はWEB広告の一種であり、WEB広告には他にも多種多様な広告があります。WEB広告の違いについて、例えばSNS広告と比較してみると、SNS広告はSNS内の他の情報を見ているときに表示されるのに対し、リスティング広告は興味関心があるモノを検索しているときにピンポイントで広告を打ち出せる点が最も大きな違いと言えます。
もちろん、SNS広告でもターゲティングや視聴データに基づくセグメントを行うことでリスティング広告に近しい広告表示の仕方も可能ですが、やはり情報収集を行っている場合と、動画視聴や日常のシーンでのSNS視聴の場合とでは、広告が表示された際に目に留まる確率も変わってきます。潜在層に向けた認知拡大には不向きですが、顕在層を狙うのであればリスティング広告の活用がおすすめです。WEB広告と一口に言っても種類によって向いている商材や目的は異なるため、自社に合った形式を選び活用しましょう。
検索結果画面にはリスティング広告だけでなくSEO(自然検索)も表示されます。ユーザーに興味を持ってもらい、WEBサイトに誘導する目的を持つ点では共通していますが、両者の特性は全く異なります。
SEOはGoogleやYahoo!などの検索エンジンから高い評価を受けることで掲載順位が上昇します。例えばGoogleであれば、掲載順位はGoogleのアルゴリズムによって決まるため、サイト構造の最適化やコンテンツの質の向上、他サイトからの被リンク獲得など、長期間にわたってあらゆる対策を行う必要があります。成果が出るまで時間がかかり、その上必ずしも上位に表示されるようになるとは限りません。
一方で、リスティング広告の掲載順位は入札額と広告の品質によって決まるため、ある程度費用をかければ上位表示を狙うことができます。クリックされるたびに課金されるため、上位表示され続けるためには費用がかかりますが、成果をすぐに確認することができ、掲載順位も管理画面を見ながらリアルタイムで調整することが可能です。
このように、リスティング広告はより早く成果を実感でき、予算や順位を柔軟にコントロールできるというSEOにはないメリットを持っています。できるだけ早く集客したい、成果を出すためにあまり時間をかけられないという人はリスティング広告を活用することをおすすめします。しかし、リスティング広告だけを運用すればいいというわけではありません。
SEOは一度コンテンツを作成してしまえばサイトの資産として蓄積され、上位表示につながっていく点や、クリックされても費用がかからないため、長期にわたって安定した基盤を築き、費用対効果を徐々に高めていけるという点でリスティング広告にはないメリットを持っています。お互いを補完し合う関係であるリスティング広告とSEOは併用して行っていくことでより効果的な運用ができるのです。
リスティング | 比較項目 | SEO対策 |
---|---|---|
○ | 即効性 | △ |
× | 継続性 | ○ |
○ | コンテンツ量 | △ |
△ | 費用対効果 | ○ |
○ | 確実性短期 | △ |
コストをかければ○ | 確実性長期 | 対策が成功すれば○ |
○ | ターゲティング | × |
見込客 | ユーザー | 幅広いユーザー |
リスティング広告の最大のメリットは、コンバージョンの見込みの高い顕在層にアピールできることです。検索エンジンで検索しているユーザーは、自分が抱えている悩みや疑問を解決するために自分から情報を求めている状態です。つまり、行動・購入意欲が高まっている状態で検索しており、そのタイミングで悩みや疑問の解決につながる可能性が高い広告を表示できるため、リスティング広告はコンバージョンにつながりやすいのです。
例えば、「福岡 引っ越し業者」で検索をかけたユーザーがいた場合、福岡県内で引っ越しすることが決定しており、どの引っ越し業者に依頼しようか探している可能性が高いです。そのため、福岡県内の引っ越し業者に関するリスティング広告を表示して、「この業者が良さそう!」と思ってもらえれば高確率でクリックしてくれるというわけです。ユーザーが求めている情報にマッチした解決策を提供できていれば、そのままコンバージョンにもつながります。ニーズが明確なユーザーにピンポイントで広告を表示できるのはリスティング広告ならではのメリットと言えるでしょう。
リスティング広告は比較的短期間で成果を出せる傾向にあり、即効性が高いというメリットがあります。SEO対策では成果を得られるまでに数カ月以上かかってしまいますが、リスティング広告は早ければ出稿したその日に上位掲載が可能です。もし期待していたより効果が出なかった場合でも管理画面からリアルタイムで結果を見ることができ、ABテストの実施もできます。データを見れば何が悪かったのか的確に判断しやすいため、改善すべき箇所もすぐに把握でき、PDCAを回しやすいです。
リスティング広告は1日1000円から出稿可能であり、予算が少なくても始めやすい広告です。予算は自由に設定できるため、予想より多くクリックされて予算をオーバーしてしまうこともありません。しかし、競合が多い場合は単価が膨れ上がる可能性が高く、低予算では上位表示が難しくなってしまうため、自社が狙うキーワードのボリュームや単価を事前に調査することが重要です。
新聞やテレビCMなどのマス広告は最低でも数十万円は必要になるため、とりあえずお試しでやってみるということはなかなかできません。一方、リスティング広告であれば、様子を見ながら徐々に予算を増やしていきたい、広告にあまり予算はかけられないという場合でも成果を出しやすい傾向にあるため、挑戦しやすい広告であると言えます。
リスティング広告は、専用の管理画面に必要事項を入力するだけで広告の掲載をスタートすることができます。広告を配信するには審査が必要ですが、基本的にはすぐに審査がおりるため、広告の設定から配信までをスピーディに行うことができます。そのため、急いで集客しなければならない案件など、リスティング広告を活用すればより大きな成果をあげることが可能です。また、リスティング広告は配信や停止も好きなタイミングで行えるため、セールの期間や季節の行事に合わせて配信期間を設定することも可能です。
リスティング広告では、詳細にターゲットを指定することが可能です。地域や年齢、性別、世帯収入などの「ユーザー属性」、映画好きや車好きといったユーザーの嗜好で分ける「オーディエンスセグメント」など、細かくユーザーを絞り込めます。ターゲティングを細分化することで広告表示の必要がないユーザーを除外し、費用対効果の高い広告配信を行うことが可能です。
リスティング広告において上位掲載を狙うためには目的と目標を明確に設定することが重要です。順位やクリック数などの数字を追っているうちに当初の目的からブレた施策を行ってしまうことも少なくありません。目的と目標を軸に据えて指針とすることで一つの共通認識を持つことができ、目的に沿った施策を実施できているか確認しやすくなります。リスティング広告の設定目標の中でも「予算」「目標コンバージョン数」「目標CPA」の3点は必須となるため、何を目標に設定するべきか分からないという方はまずこの3点を設定してみましょう。
除外キーワードとは、Google検索エンジンで特定のキーワードを検索した際に、自社のリスティング広告を表示させないようにする機能のことを言います。Yahoo!にも同様の機能があり、対象外キーワードと呼ばれます。ユーザーが検索する際、検索語句の組み合わせにより意図していない検索語句に連動してしまい、成果につながっていない場合があります。そのような事態を避けるためにもリスティング広告では除外キーワードの設定は必要不可欠です。
もし設定していないと、興味のないユーザーにもリスティング広告が表示されてしまい、クリック率が低下してしまいます。たとえクリックされたとしてもニーズがないためコンバージョンにはつながりにくく、無駄なコストがかかってしまいます。例えば、福岡の高価格帯のホテルがリスティング広告を出稿するとします。除外キーワードを設定していない場合、「福岡 ホテル 安い」といった、低価格帯のホテルを探しているユーザーにまで広告が表示されてしまうため、「安い」というキーワードを除外することで表示を防ぎます。
検索エンジンで月間10,000回以上検索されているキーワードのことを「ビッグワード」と呼びます。ビッグワードはユーザーが最も検索しているキーワードであり、様々な意図が含まれていたり、入札競争も激しくなってしまいます。必然的にクリック単価も上がってしまうため、少額運用の場合は極力ビックワードのみでの設定は避けましょう。
また、リスティング広告では3語以上のキーワードを組み合わせた「ロングテールキーワード」を狙うことも有効です。検索ボリュームは少ないですが、競争性が低く、ユーザーのニーズがより明確でコンバージョンにつながる可能性が高いため、結果的に費用対効果が高くなりやすいです。ユーザーがどんなキーワードを組み合わせて検索をかけるのかを予測し、そのニーズに合致するロングテールキーワードを設定しましょう。
リスティング広告を運用する場合、自社で運用する方法もありますが、知見がないとなかなか成果を上げられないまま費用だけがかさんでしまうケースも少なくありません。そこで、代理店に依頼するのもひとつの方法です。代理店に依頼するメリットを把握し、自社に向いている運用方法を選びましょう。
代理店にリスティング広告運用を依頼する最大のメリットは、広告運用のプロである代理店がこれまでに蓄積してきたノウハウを活用することで、より早くより大きな成果を出せる点にあると言えます。社内にリスティング広告の知見がなくても、代理店が現状を把握し、データに基づいた最適な運用の実施、改善点を見つけ修正するという流れを迅速に、的確に行ってくれます。また、GoogleやYahoo!の最新情報や最新機能をいち早く入手し、試してみることは自社運用ではなかなかできませんが、代理店ではそれが可能です。常にアップデートされた情報をキャッチアップして運用に反映できるため、成果を上げやすいです。
リスティング広告を自社で一から運用していく場合、運用経験が浅い担当者だと教育にかかる時間も成果が出るまでの時間もかかってしまい、リソースに余裕がないと他の業務にまで支障が出てしまいます。一方、代理店に依頼すれば、教育にかける時間が必要なくなり、担当者も他の業務に注力できるようになります。また、専任の担当者がいたとしても、退職してしまった場合はリスティング広告運用が停止してしまう可能性もあるため、このようなリスクを考えて代理店に依頼する企業も増えています。
多くの代理店ではリスティング広告以外にも様々な媒体を扱っているため、他の媒体へ展開することが可能です。例えば、リスティング広告の運用が順調に進み、次はインスタグラム広告でも出稿してみたいといった場合、代理店であればスムーズに配信をスタートすることができます。様々な媒体に知見があるため、相談しながら出稿媒体を選定することができ、リスティング広告と他の媒体を組み合わせてより大きな成果を出していくことも可能です。
リスティング広告を代理店に依頼する際、専門的な知識がない場合はどの代理店を選べばいいのか判断が難しいと思います。代理店によって専門領域や得意とする媒体も異なるため、大手だからといって比較検討せずに依頼するのはおすすめしません。必ず複数の代理店を比較し、自社に必要なサービスを提供してくれる代理店を選びましょう。
WEB広告は種類が豊富であり、代理店によって得意な分野は異なります。大手の広告代理店でもリスティング広告における実績が乏しいところもあるため、リスティング広告の運用を得意とし、実績のある代理店を選びましょう。実績が豊富であれば、成功事例だけでなく失敗事例からの改善策も豊富に持ち合わせているため、より最適な提案をしてもらえます。また、自社と同じ業界での運用経験が豊富かどうかも確認しましょう。業界への理解が深い代理店であれば説明する時間も必要なく、より早く効果的な運用を行ってもらえます。
運用担当者の広告運用経験を確認することも大事ですが、自社の目線に立って提案してくれるかどうかを見極めることも重要です。リスティング広告運用において実際にどんな改善をしてきたのかといった過去の実績と合わせて、より成果が出せる方向に導いてくれるのか、ビジネスパートナーとして一緒に試行錯誤しながら本気で向き合ってくれるのかどうかを吟味しましょう。また、コミュニケーションをスムーズに行うためにも、営業担当が窓口になっているのではなく、常に運用担当者と直接連絡をとることができる環境であるかどうかも確認しましょう。
リスティング広告を代理店に依頼すると、広告費とは別に代行手数料がかかりますが、料金体系は代理店によって異なります。一般的に、広告費に対して一定の割合で手数料がかかる定率型の形式をとり、広告費の20%を手数料として設定している代理店が多いです。広告費が少額になると毎月固定の金額を払う固定金額制をとる場合もあります。最低出稿金額を設定していたり、初期費用がかかる代理店もあるため、事前にしっかり確認しましょう。また、契約期間が定められている代理店もあり、リスティング広告出稿を停止したくても違約金が発生してしまう可能性があるため、契約期間についても事前にチェックしておきましょう。
通常、代理店にリスティング広告運用を依頼すると、広告用アカウントを新たに開設しますが、運用のノウハウが流出するのを恐れ、クライアントとアカウントを共有せずにレポートのみで運用状況を報告する代理店があります。しかし、リスティング広告の実際の運用が見えなければ、本当に適切な運用が行われているのかがわからず、データの信ぴょう性が低下します。そのため、アカウントを共有し、透明性が確保されている代理店をおすすめします。また、レポートについてもただ結果を並べただけではなく、どのように分析・改善したのか、施策を行いどういう成果につながったのか詳細に報告してくれる代理店を選びましょう。
リスティング広告運用におけるジャリアの強みは、統計GISデータを活用した詳細な配信エリア設定にあります。統計GISとは、総務省統計局が提供している地理情報システムサービスのことです。国勢調査の統計データとデジタル化された地図データを統合したGISデータは様々な用途の分析に活用することができます。ジャリアのリスティング広告運用ではGISデータとターゲット層を照合しながら、県や市といったセグメントではなく、半径○kmのエリアや店舗から徒歩でいけるエリアなどのより狭い商圏にピンポイントでリスティング広告を配信することが可能です。これにより、地域に根ざした企業や小規模のビジネスでも最低限の費用で最大限の効果発揮を実現しています。
狭いエリアでのリスティング広告配信ではキーワード選定がより重要になってくるため、キーワード調査や競合分析から費用対効果の高いキーワード選定を行います。また、月次レポーティングには各数値に考察と改善点を記載しており、配信の数値を見ながら微調整を行っているため、月次だけでなく週次での報告にも対応しています。
また、リスティング広告はSEOと併用することでお互いのデメリットを補いながら効果を高めていけます。例えば、即効性のあるリスティング広告でコンバージョンの可能性が高いユーザーの目に留まりクリックされれば、SEOにおいて非常に重要な外部リンクが獲得でき、自然検索でも上位に表示されるようになります。ジャリアではリスティング広告の効果をさらに加速させるSEO対策の相談にも対応しています。
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