LINE広告(旧LINE Ads Platform)とは、LINE上のタイムラインやLINE NEWSに広告を配信することができる運用型広告です。LINEは日本国内で最も使用率の高いSNSであり、日本国内におけるMAU(月間アクティブユーザー数)は9,300万人と私たちの生活には欠かすことの出来ないアプリとなっています。近年では連絡手段として主にLINEを利用している人が多く、連絡先を交換する際もメールアドレスではなくLINEのIDを交換することが多いのではないでしょうか。Facebook広告やTwitter広告に比べ、圧倒的なリーチを持つLINE広告は、適切にターゲティングすることで最大限の効果を発揮するでしょう。掲載先の指定はできませんが、外部のアプリにも広告配信ができるため、より幅広いユーザーにアプローチできます。また、LINE公式アカウントと併用することで、より精度の高いターゲティングが可能です。LINE公式アカウントの基本機能は無料で利用することができるため、自社でアカウントを持つ企業も増えてきています。
LINEの圧倒的な普及率によって、他の媒体ではリーチできないユーザー層を獲得することができ、より多くのユーザーにアピールすることが可能です。SNS利用者の中でLINEの利用率は80%を超え、LINEのみを利用しているユーザーは40%近くにも及びます。LINEはアクティブ率が非常に高く、LINE広告を活用しなければ訴求できない多くのユーザーにアプローチできる点はLINE広告最大のメリットとも言えます。ユーザーの性別や年代にはあまり偏りがなく、幅広い層が利用しているため、特定の層ではなく幅広い層をターゲットにできる点も特徴です。
LINE広告は、主にトークリストやLINE NEWS、LINE VOOMに配信されますが、それ以外にも豊富な配信先があり、様々な場面でユーザーにリーチすることが可能です。LINEマンガやLINEショッピングなどのLINE内部のアプリだけでなく、外部のアプリと連携したモバイルアドネットワーク「LINE広告ネットワーク」によってLINE以外の幅広いジャンルのアプリにも配信することができます。LINE広告ネットワークには天気や料理レシピ、マンガやゲームなど様々なアプリが含まれており、多くのユーザーのリーチを獲得できます。
LINE広告は、少額から手軽に広告の配信が可能です。初期費用は必要なく、最低出稿金額も設定されていないため、自由に金額を設定できます。多くのリーチ獲得が期待できるLINEに少額からでも広告を配信できる点で、予算が少ない場合は大きなメリットと言えます。しかし、課金形態は他のSNS広告と違い、クリック課金(クリックされるごとに料金が発生する)か、インプレッション課金(表示回数に応じて料金が発生する)のどちらかしか設定できないため注意が必要です。
LINE広告では、年齢や性別以外にも細かいターゲティングを設定して配信することが可能です。主に「デモグラフィックデータ配信」「オーディエンス配信」「類似配信」の3つの配信機能があります。
自社がもっている顧客データとLINEのデータを照合し、すでに接点があるユーザーに対して広告を配信する方法です。広告主の意図に沿った適切なユーザーに対して配信できます。商品購入履歴があるユーザーにもう一度購入を促したり、逆に商品購入履歴があるユーザーは除外して広告を配信することができます。LINE公式アカウントの友だちデータを利用したターゲティングも可能で、アカウントの友だちだけでなく、ブロック中の友だちへの配信を設定することもできます。
ユーザーの年齢、性別、地域、興味・関心に応じてターゲティングを設定し、条件に該当するユーザーのみに広告を配信する方法です。商品やサービスのターゲットが明確に定まっている場合に適しており、潜在顧客の獲得につながりやすい特徴があります。ターゲティングはLINEに登録されているユーザーデータを利用していますが、LINEは詳細なプロフィールを設定しなくても利用できるため、その場合はユーザーのLINE上での行動履歴をもとにした「みなし属性」として判別されます。実名登録制のFacebook広告と比べると、ターゲティングの精度は落ちてしまうかもしれませんが、圧倒的なリーチ力で多くのユーザーに配信できる点が魅力です。
オーディエンス配信で作成したオーディンスと似た属性をもつLINEユーザーに対して広告を配信する方法です。例えば、商品を購入してくれたユーザーと似た属性をもつユーザーに配信することで潜在顧客の獲得が期待できます。類似配信は自動と手動どちらでも設定することができ、手動の場合は類似度を1~15%の間で指定できます。数値が小さいほど類似度は高くなり、アクションを起こしてもらえる可能性は高まりますが、リーチできる人数は限られてしまいます。数値が大きいほど類似度は低くなりますが、もととなるオーディエンスにできるだけ近い属性の多くのユーザーに広告を届けることが可能です。
LINE広告には、トークリストやLINE NEWS以外にも様々な配信面があります。
LINE広告の掲載フォーマットは、「静止画広告」と「動画広告」の2つに分けられます。配信面ごとにフォーマットが異なるため、掲載したい配信面に対応するフォーマットに合わせてクリエイティブを作成する必要があります。
静止画広告は、動画広告よりも制作コストを抑えることができるため、配信の目的別に複数のクリエイティブを作成することが可能です。一度に伝えられる情報量は少ないですが、伝えたい情報を瞬時にわかりやすく届けることができます。
動画広告は、静止画広告よりも制作コストがかかってしまいますが、静止画では伝えきれない多くの情報を届けることができます。視覚だけでなく、聴覚にも訴求することができるため、ユーザーの印象に強く残りやすい点もメリットと言えます。冒頭の3秒間でどれだけ多くのユーザーを引きつけることができるかがポイントです。
また、LINE広告には配信面に応じて5種類のクリエイティブが存在します。
トークリストやLINE NEWS、LINE BLOGなど多くの配信面に対応しているフォーマットです。静止画であれば「1200×628px」、動画であれば「16 : 9」の比率で作成します。Cardのクリエイティブを用意しておけば、様々な配信面で掲載ができるため、配信効果の検証、改善を行いやすくなります。
Cardと同様に多くの配信面に対応している正方形のフォーマットです。静止画であれば「1080×1080px」、動画であれば「1 : 1」の比率で作成します。Facebook広告やInstagram広告でも正方形のクリエイティブが多く使用されているため、汎用性も高いです。
動画専用のフォーマットで、LINE VOOMやLINE広告ネットワークに対応しています。基本的に「9 : 16」の比率で制作しますが、LINE VOOMの場合は「3 : 4」の比率で表示され、画面の上下が切れて表示されてしまいます。ユーザーが画面をタップすることで「9 : 16」の比率に切り替わるため、作成する際は注意が必要です。
静止画専用のフォーマットで、ひとつの広告に最大10点の画像をスライド形式で表示することが可能です。LINE NEWSやLINEポイントなどに対応しており、「1080×1080px」の比率で作成します。また、ユーザーの閲覧履歴をもとに興味をもってもらえそうな広告を配信する「LINE Dynamic Ads」にも対応しているため、コンバージョン率の向上も期待できます。
静止画専用のフォーマットで、画像とテキストのみのシンプルな構成です。「600×400px」の比率で、LINE NEWSやLINE広告ネットワークの他、LINEユーザーのアクティブ率の高いトークリストの上部に表示されます。かなり小さな画像となり、ディスクリプションも表示されないため、瞬間的にユーザーの目を引く画像やテキストを考える必要があります。
クリエイティブはLINE広告の配信効果を高めるために非常に重要な要素ですが、複数のフォーマットで用意しておくことが推奨されています。静止画だけでなく、動画やカルーセルでも作成し、どんなタイトル、ディスクリプション、訴求ポイントをアピールすれば高い効果を得られるのかを検証し、改善していくことが重要です。あまりコストをかけられない場合でも、背景の色を変えたり、タイトルを変えたりするだけで効果に差が出てくるため、コストを抑えながら工夫して作成しましょう。また、効果的なクリエイティブであっても、長期間使用しているとユーザーは何度も目にすることになり、広告への反応が悪くなってしまうため、定期的な変更も必要です。
LINE広告運用において、LINE公式アカウントをいかにうまく活用できるかが重要なポイントです。LINE公式アカウントは、企業や店舗がLINE上でアカウントを作成し、クーポン・セール情報やキャンペーンの告知などを行うことができるサービスです。LINE公式アカウントを開設すると、企業や店舗に興味があるユーザーが友だち登録をしてくれるため、メッセージを送信したり、ユーザーからの質問に答えたり、直接コミュニケーションをとることが可能になります。すでに自社に興味を持ってくれているユーザーであるため、コンバージョンにつながりやすく、エンゲージメントの向上も期待できます。友だち登録してくれたユーザーのデータを広告配信に活用することもできるため、ユーザーの興味・関心の調査や分析を行い、ユーザーにとって有益な情報を配信することが重要です。また、公式アカウントは無料で開設することができ、手軽に始められる点もメリットと言えます。
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