ユーザーに選ばれるサイトデザインの法則|リニューアルで改善すべきUI/UXのポイント

WEBサイトのデザインはただ見た目を美しくするためのものではありません。ユーザーが求める情報に迷わずたどり着けるか、信頼感を感じてもらえるか、スムーズに問い合わせや購入といったアクションを起こせるかといったユーザー体験の質が、サイトの成果を大きく左右します。どれだけ洗練されたデザインでも、ユーザーが使いにくいと感じれば離脱率が上がり、CVRは改善されません。
この記事では、WEBサイトリニューアルでUI/UXを改善するために担当者が押さえておくべきポイントを、チェックリスト・デザインの法則・業種別の改善ポイントまで網羅的に解説します。
目次
WEBサイトリニューアルでUI/UX改善が重要な理由
WEBサイトのリニューアルにおいて、デザインの刷新と同じかそれ以上に重要なのがUI/UXの改善です。見た目が新しくなっても、ユーザーが使いにくいと感じるサイトでは問い合わせも資料請求も増えません。UI/UX改善がなぜリニューアルの成果に直結するのかを正しく理解しておくことが、成果につながるリニューアルの第一歩です。
デザインとUXの違いを理解する
UIとUXは混同されやすい言葉ですが、それぞれ異なる概念を指しています。
UIはUser Interfaceの略であり、ボタンの色・フォントの種類・レイアウト・アイコンなど、ユーザーが目で見て触れる画面上の要素を指します。一方でUXはUser Experienceの略であり、サイトを訪問してから目的を達成するまでの一連の体験の質を指します。
わかりやすく例えると、UIはサイトの見た目や操作性といった表面的な部分であり、UXはそのサイトを使った結果としてユーザーが感じる満足度や体験の質です。UIが優れていてもUXが悪ければ、見た目はきれいなのに使いにくいサイトになります。
逆にUXが優れていてもUIが粗削りであれば、使いやすいけど信頼感が薄いサイトになります。リニューアルではUIとUXの両方を同時に改善することが、成果を最大化する上で重要です。
ユーザー体験がCVRに与える影響
ユーザー体験の質はCVR(コンバージョン率)に直接影響します。ユーザーがサイトを訪問してから問い合わせや購入といったアクションを起こすまでの過程で、少しでも迷いや不便さを感じると離脱率が上がりCVRが低下します。
具体的な例として、問い合わせフォームの入力項目が多すぎる・ボタンがスマホで押しにくい位置にある・ページの読み込みが遅い・求めている情報がどこにあるかわかりにくいといった問題は、いずれもCVRを下げる原因になります。これらはデザインの見た目とは関係なく、ユーザーの行動を妨げるUX上の問題です。
リニューアルでデザインを刷新する際は見た目の改善だけでなく、ユーザーがストレスなく目的を達成できる体験設計を同時に行うことで、CVRの改善という具体的な成果につなげることができます。
リニューアルで改善すべきUI/UXのチェックポイント
リニューアルでUI/UXを改善するためには、現状サイトのどこに問題があるかを把握した上で、優先度の高い箇所から改善を進めることが重要です。以下のチェックポイントを参考に、自社サイトの現状を確認してみてください。
ファーストビューの設計
ファーストビューとはページを開いた瞬間にスクロールせずに見える領域のことです。ユーザーはファーストビューを見た瞬間に、このサイトが自分の求めているものかどうかを判断します。ファーストビューで興味を持ってもらえなければ、その先のコンテンツを読んでもらえません。
ファーストビューで確認すべきポイントは以下のとおりです。何のサービスを提供しているサイトなのかが一目でわかるか、ユーザーが抱える課題や得られるベネフィットが明確に伝わるか、次のアクションへの誘導(CTAボタン)が目立つ位置に配置されているか、スマホで見たときに重要な情報がファーストビュー内に収まっているかを確認してください。
特にBtoBのコーポレートサイトでは、ファーストビューに抽象的なキャッチコピーだけが置かれており、何の会社なのかが伝わらないケースが多く見られます。ユーザーは検索結果から複数のサイトを比較しながら閲覧しているため、ファーストビューで自社の強みと提供価値を端的に伝えることが離脱率の改善につながります。
ナビゲーション・導線の最適化
ナビゲーションはユーザーがサイト内を移動するための道案内です。ナビゲーションが複雑だったり、どこをクリックすれば目的の情報にたどり着けるかがわかりにくかったりすると、ユーザーはサイト内で迷子になり離脱してしまいます。
ナビゲーションと導線で確認すべきポイントは、グローバルナビゲーションの項目数が多すぎないか・重要なページへのリンクが適切な位置に配置されているか・パンくずリストが設置されていてユーザーが現在地を把握できるか・関連ページへの内部リンクが適切に設置されているかです。
導線設計はユーザーがどのページからどのページへ移動して最終的にコンバージョンするかという流れを設計するものです。ユーザーの行動パターンをGA4のページ遷移データで確認しながら、離脱が多い箇所に内部リンクやCTAボタンを追加することで、コンバージョンまでの導線を改善することができます。
モバイルファーストデザインへの対応
現在のWebサイトへのアクセスの半数以上はスマートフォンからです。Googleもモバイルファーストインデックスを採用しており、スマホでの表示品質がSEO評価に直結します。リニューアルではPC表示だけでなく、スマホでの体験を最優先に設計することが重要です。
スマホ対応で確認すべきポイントは、テキストがスマホ画面で読みやすいフォントサイズになっているか・ボタンのタップ領域が十分な大きさか・横スクロールが発生していないか・テーブルや画像がスマホ画面に収まっているかです。特にテーブルはPC表示では問題なくてもスマホで横スクロールが発生しやすいため、スマホでの表示を必ず確認してください。
フォームの入力しやすさ
問い合わせフォームや資料請求フォームはコンバージョンに直結する重要な要素です。フォームの入力しにくさはCVRを大幅に下げる原因になるため、リニューアルの際に必ず見直しておくべき項目です。
フォームで改善すべきポイントは、入力項目が必要最小限になっているか・必須項目と任意項目が明確に区別されているか・エラーメッセージがわかりやすく表示されるか・スマホで入力しやすいキーボードが表示されるか(電話番号欄では数字キーボードが表示されるかなど)・送信後の完了ページや自動返信メールが設定されているかです。
入力項目を減らすことは最もシンプルかつ効果的なCVR改善策のひとつです。会社名・氏名・メールアドレス・お問い合わせ内容の4項目に絞るだけで、フォームの離脱率が大幅に改善するケースがあります。
ページ表示速度の改善
ページの表示速度はユーザー体験とSEO評価の両方に影響する重要な要素です。Googleの調査によると、ページの読み込みに3秒以上かかると半数以上のユーザーが離脱するとされています。リニューアル後にPageSpeed Insightsでスコアを確認し、表示速度が低下していないかを必ずチェックしてください。
表示速度を改善するための主な施策は、画像ファイルをWebP形式に変換してファイルサイズを圧縮する・不要なプラグインやスクリプトを削除する・ブラウザキャッシュを活用する・CDNを導入してサーバーの応答速度を改善するといった方法が挙げられます。特に画像の最適化は費用をかけずに実施できる施策であるため、リニューアルと同時に対応しておくことをおすすめします。
ユーザーに選ばれるデザインの法則
優れたWebデザインは見た目の美しさだけでなく、ユーザーに信頼感を与え、求める情報に迷わずたどり着けるよう設計されています。デザインの法則を理解した上でリニューアルに臨むことで、感覚的な好み任せではなく根拠のある設計判断ができるようになります。
信頼感を生む配色・フォント・レイアウト
ユーザーはサイトを見た瞬間の印象で、このサイトは信頼できるかどうかを無意識に判断しています。配色・フォント・レイアウトはその第一印象を左右する重要な要素です。
配色については、ブランドカラーを軸にしながら使用する色数を3色程度に絞ることが基本です。色数が多すぎるとサイト全体がまとまりのない印象になり、信頼感が低下します。メインカラー・サブカラー・アクセントカラーの3色で構成し、CTAボタンにはアクセントカラーを使って目立たせることが効果的です。また業種によって適した配色の傾向があり、BtoB企業では青・紺・グレーなどの落ち着いた色が信頼感を与えやすく、EC・食品・美容系では暖色系や鮮やかな色がユーザーの購買意欲を高める傾向にあります。
フォントはサイトの読みやすさと品格に影響します。Webサイトでは可読性の高いフォントを選ぶことが基本であり、本文のフォントサイズは最低でも16px以上を確保することをおすすめします。フォントの種類は統一感を持たせるために2〜3種類に絞り、見出しと本文で役割を明確に分けて使用してください。
レイアウトはユーザーの視線の流れに沿った設計が重要です。ユーザーの視線はFパターン(左上から右へ、次に左に戻って下へ)やZパターン(左上から右上、左下から右下へ対角線に動く)で動くことが知られています。重要な情報や CTAボタンはこの視線の流れに沿った位置に配置することで、ユーザーが自然に次のアクションへ進みやすくなります。
コンテンツの優先順位と情報設計
どれだけデザインが優れていても、コンテンツの優先順位が整理されていなければユーザーは求める情報を見つけられません。情報設計とはユーザーが必要な情報に迷わずたどり着けるよう、コンテンツの優先順位と配置を設計することです。
情報設計で意識すべきポイントは、最も重要な情報をページの上部に配置すること・ユーザーが次に知りたいことを予測して適切な順序でコンテンツを並べること・専門用語をできるだけ避けてユーザーが理解しやすい言葉で表現することの3つです。
特にBtoBのサービスサイトでは、サービスの概要・導入メリット・導入事例・料金・よくある質問・問い合わせという流れでコンテンツを構成することが、ユーザーの検討プロセスに沿った自然な情報設計といえます。ユーザーが検討段階で知りたい情報を適切な順序で提供することで、問い合わせまでの心理的ハードルを下げることができます。
UI/UX改善の進め方
UI/UXの改善は感覚や主観だけで進めると、担当者の好みと実際のユーザーのニーズがかみ合わずに効果が出ないケースがあります。データとユーザーの声をもとに課題を特定し、優先度の高い箇所から改善を進めることが重要です。
ユーザーリサーチの方法
UI/UX改善の出発点はユーザーリサーチです。実際のユーザーがサイトをどのように使っているかを把握することで、改善すべき課題を正確に特定することができます。
ユーザーリサーチの主な方法として、ユーザーインタビューとアンケートの2つが挙げられます。ユーザーインタビューは既存顧客や見込み客に対して、サイトを実際に操作してもらいながら思ったことを声に出してもらうユーザビリティテストとして実施するのが効果的です。5〜10人程度のユーザーにテストを行うだけで、サイトの主要な問題点の大半を発見できるといわれています。
アンケートはサイト訪問者に対してポップアップや離脱時のアンケートを設置することで、リアルタイムにユーザーの声を収集できます。求めている情報が見つかりましたか・このページに満足しましたか・改善してほしい点はありますかといったシンプルな質問を設けるだけで、改善のヒントになる意見を収集することができます。
ヒートマップ・クリック解析の活用
ヒートマップはユーザーがページのどの部分をよく見ているか・どこをクリックしているか・どこまでスクロールしているかを視覚的に把握できるツールです。GA4のデータだけではわからないユーザーの行動パターンを把握することで、改善すべき箇所を精度高く特定することができます。
ヒートマップで確認すべき主なポイントは以下のとおりです。ユーザーがクリックしていない重要なCTAボタンがないか・スクロールが途中で止まっている箇所はどこか・ユーザーがクリックしようとしているがリンクになっていない要素がないかを確認することで、具体的な改善施策を導き出すことができます。
代表的なヒートマップツールとしてMicrosoftの「Clarity」が挙げられます。Clarityは無料で利用できるにもかかわらず、クリック解析・スクロール解析・セッション録画などの機能が充実しており、多くのWEB担当者に活用されています。リニューアル後にClarityを導入してユーザーの行動を記録することで、次の改善施策の精度を高めることができます。
業種別のデザイン改善ポイント
UI/UXの改善ポイントはサイトの業種・目的によって異なります。同じ改善施策でも、BtoBコーポレートサイトとECサイトでは優先すべき要素が大きく違います。自社のサイト種別に合った改善ポイントを把握した上でリニューアルに臨んでください。
BtoBコーポレートサイトのデザイン
BtoBコーポレートサイトは、見込み客に対して自社の信頼性・専門性・実績を伝え、問い合わせや資料請求といったコンバージョンにつなげることが主な目的です。購買の意思決定に複数の関係者が関わるBtoBの特性上、担当者が社内で稟議を通すための情報を提供することも重要な役割のひとつです。
BtoBコーポレートサイトで特に改善すべきポイントは以下のとおりです。
ファーストビューでは自社が何の会社であるか・どんな課題を解決できるかを端的に伝えることが最優先です。抽象的なキャッチコピーよりも、具体的な数字や実績を交えた表現の方が信頼感を与えやすくなります。導入事例・実績ページは意思決定の後押しをする重要なコンテンツであるため、業種・規模・課題・導入効果を具体的に記載した事例を複数掲載することをおすすめします。
また資料ダウンロードやホワイトペーパーの設置は、まだ問い合わせに至らない検討段階のユーザーを獲得するための有効な手段です。問い合わせハードルを下げるために、フォームの入力項目を最小限に抑えることも重要です。
ECサイトのデザイン
ECサイトは商品の魅力を伝え、購入までの導線をいかにスムーズに設計するかがUI/UX改善の核心です。購入までのステップが多いほど離脱率が上がるため、カートへの追加から決済完了までの流れをできる限りシンプルにすることが重要です。
ECサイトで特に改善すべきポイントは、商品画像の品質と点数です。ユーザーは実物を手に取れない分、画像の情報量で購入判断をするため、複数アングルの画像・拡大表示機能・使用シーンの画像を充実させることがCVR改善に直結します。商品ページのレビュー・評価機能は購買意欲を高める重要な要素であるため、積極的に活用してください。
またスマホでのカート追加・決済操作が直感的に行えるかどうかを必ず確認し、タップ領域の大きさ・フォームの入力しやすさ・決済方法の選択肢の充実度を見直してください。
採用サイトのデザイン
採用サイトは求職者に対して会社の魅力・働く環境・キャリアパスを伝え、応募というコンバージョンにつなげることが目的です。求職者は複数の会社を比較しながら検討しているため、他社との差別化を明確に打ち出すことが重要です。
採用サイトで特に改善すべきポイントは、社員インタビューと職場の雰囲気が伝わるコンテンツの充実です。求職者が最も知りたいのは実際に働いている人の声と職場環境のリアルな姿であるため、テキストだけでなく写真・動画を活用してリアルな職場の雰囲気を伝えることが応募率の改善につながります。
また募集職種・仕事内容・求める人物像・給与・福利厚生・選考フローといった情報は求職者が必ず確認する項目であるため、わかりやすく整理して掲載してください。応募フォームは入力項目を絞ってスマホから簡単に応募できる設計にすることで、応募のハードルを大幅に下げることができます。
UI/UX改善に関するよくある質問
デザインのみのリニューアルで成果は出る?
デザインのみのリニューアルで成果が出るかどうかは、現状サイトの課題がどこにあるかによって異なります。現状のデザインが古くてユーザーに信頼感を与えられていない・スマホ対応ができていない・ファーストビューで自社の価値が伝わっていないといった課題であれば、デザインの刷新だけでも一定の効果が見込めます。
ただしデザインを刷新しても、導線設計・コンテンツの質・フォームの使いやすさ・ページ表示速度といったUX上の問題が残っていれば、CVRの改善には限界があります。見た目が新しくなったのに問い合わせが増えないという状態を避けるためにも、デザインの刷新と同時にUI/UX全体を見直すことを強くおすすめします。
リニューアル前にGA4やヒートマップを使って現状の課題を特定し、デザインの問題なのかUXの問題なのかを切り分けた上で改善の優先順位を決めることが、限られた予算で最大の成果を出すための最も効率的なアプローチです。
リニューアル後すぐに改善効果が出ないのはなぜ?
リニューアル後すぐに成果が出ないのは、いくつかの理由が考えられます。まずSEOの観点では、リニューアル直後はGoogleがサイトの変化を認識して再評価するタイミングであり、検索順位が安定するまでに数週間〜数ヶ月かかることがあります。この期間は検索流入が一時的に変動するため、アクセス数やCVRの数値が安定しないことは珍しいことではありません。
またUI/UXの改善効果はユーザーのサイトへの慣れや信頼の蓄積によって徐々に表れるものであり、公開直後から劇的な変化が出るケースは多くありません。リニューアル後は少なくとも3ヶ月程度のデータを蓄積した上で効果を評価することをおすすめします。
公開から1ヶ月以上経過してもアクセス数やCVRに改善が見られない場合は、リダイレクト設定の漏れ・コンテンツの問題・導線設計の課題など、具体的な原因を特定して改善施策を実施するようにしましょう。リニューアルはゴールではなくスタートであり、公開後のPDCAを継続することが長期的な成果につながります。
まとめ|デザインとUXを同時に改善することが成果への近道
WEBサイトリニューアルで本当の意味での成果を出すためには、見た目のデザインを刷新するだけでなく、ユーザーが求める情報に迷わずたどり着けるUXの改善を同時に行うことが重要です。どれだけ洗練されたデザインでも、ユーザーが使いにくいと感じれば離脱率は下がらず、CVRも改善されません。
ファーストビューの設計・ナビゲーションと導線の最適化・モバイルファーストへの対応・フォームの入力しやすさ・ページ表示速度の改善は、リニューアルで必ず見直すべきUI/UXの基本項目です。これらの改善を感覚や主観だけで進めるのではなく、GA4・Search Console・ヒートマップといったデータをもとに課題を特定した上で優先順位をつけて取り組むことで、限られた予算でも最大の改善効果を生み出すことができます。
また業種によって改善すべきポイントは異なります。BtoBコーポレートサイトであれば信頼性と実績の訴求・ECサイトであれば商品画像の充実と購入導線のシンプル化・採用サイトであれば社員の声と職場環境のリアルな訴求が、それぞれのCVR改善に直結する重要な施策です。
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